・サンプルを分解した初期解析では、複数のペイロードの可能性が判明しました。WinCE/Pmcryptic.A.intdは部分的に暗号化されており、実行時に自身の暗号を解読するためのコードが組み込まれています。実行ファイルは3つのセクションで暗号化されており、それぞれ暗号化ルーチンが若干異なります。
・WinCE/Pmcryptic.A.intdには以下のコードが組み込まれています。
- 通話により、サービス拒否攻撃を仕掛けるコード
約40秒ごとに1860にダイヤルされ、20秒間、通話状態になります。
- ウィンドウにユーザ入力を受け取らせないようにするコード
隠し属性を設定した状態で、自身をデバイスの以下の場所にコピーします。
- \[ストレージカード名].exe
- \system.exe
- [フラッシュカード]\2577\autorun.exe
- [フラッシュカード]\2577\[ランダムなファイル名].exe
- フラッシュカード、内部メモリのすべての既存フォルダに自身をコピーするコード
[フォルダ名].exeが[フォルダ名]フォルダの親フォルダに作成されます。
[ランダムなファイル名].exeが既存のフォルダに作成されます。
- 自身をスタートアップフォルダにコピーするコード
再起動後、WinCE/Pmcryptic.A.intdが自動的に動作します。
- 偽のエラーメッセージを含むメッセージボックスを表示するコード
メッセージは「目录 损 坏」(意訳すると「フォルダまたはディレクトリがクラッシュしています」)です。
システムのカラー設定を変更します。
・WinCE/Pmcryptic.A.intdのポリモルフィック型ワームの機能により、コピーごとに使われる暗号化が変更され、フラッシュカードにコピーが作成されます。感染したフラッシュカードが新しいデバイスに挿入されると、WinCE/Pmcryptic.A.intdが感染します。また、コンパニオンウイルスの機能により、既存のフォルダ名が利用され、同じ名前のフォルダとの区別をあいまいなものにします。これにより、ユーザは、オリジナルのフォルダではなく、WinCE/Pmcryptic.A.intdをクリックする可能性があります。

図1 - フォルダがクラッシュしたことを知らせるエラーメッセージ。2.exeファイルのアイコンは隠しフォルダのアイコン。
・初期解析では、WinCE/Pmcryptic.A.intdのテストはMicrosoft Device Emulatorで行われました。その際、複数のペイロードが確認されました。
・実際のデバイスでのテストでは、WinCE/Pmcryptic.A.intdは正常に動作しませんでした。プロセスは開始されましたが、すぐに終了しました。