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導入事例 - 株式会社リコー 導入事例 - 株式会社リコー

McAfee Embedded Control 導入事例 ―
株式会社リコー様

株式会社リコー様 ネットワークアプライアンス事業部 VC事業センター DA開発室 CBS開発ユニット シニアスペシャリスト 香川正明 氏、商品戦略室 ソリューション企画ユニット シニアスペシャリスト 長束哲郎 氏

「設置して電源を入れれば、説明されなくてもすぐに使える。それが、リコーの考えるオフィス向けアプライアンスです。その利便性とセキュリティを両立してくれたのは、Embedded Controlでした。」

新たなビジュアルコミュニケーションの世界を開く、インタラクティブ ホワイトボード

― リコーと言えばコピー機で馴染まれているブランドかと思います。インタラクティブ ホワイトボードは そうしたイメージから考えると異色の製品とも感じられますが、どのような背景で開発されたのでしょ うか。

確かにリコーは、紙を媒介にしたコピーやFAXを中心に製品を提供してきました。しかし、その中核に あるのは紙ではなく、ビジュアルコミュニケーションです。ビジュアルを介して、多くの人や遠くの人と コミュニケーションをとること。そのための手段としてコピーやFAX、近年ではプロジェクター、テレビ会議 システム等を提供してきました。

インタラクティブ ホワイトボードは新しいジャンルの製品ではありますが、同じくビジュアルコミュニケー ションの流れの中にあり、その進化系を模索するリコーの新提案です。

オフィスで使いやすい共用機器として、設置 すればすぐに使えるアプライアンスにこだ わる

― まず最初に、インタラクティブ ホワイトボードD5500について簡単にご説明いただけますか?

インタラクティブ ホワイトボードという製品ジャンル自体、耳慣れないと思います。簡単に言えば、離れた場所で双方に書き込み合って議論できる高機能なホワイトボードです。ネットワークを介して接続可能で、同じ映像を表示しながら、さらにそこに書き込んだ内容まで共有できます。

図1. リコー インタラクティブ ホワイトボード D5500
イントラネットを経由することで、本社と支社、設計事務所と現場など、離れた拠点間でも、最大4 台までリアルタイムに共有可能。無償のビューワーソフトをインストールしたPC からでも、書き込み内容を閲覧できる。

これまでにも資料を共有する仕組みや、遠隔地で顔を合わせながら話し合うビデオ会議の仕組みはありましたが、資料への書き込みまで共有するのは困難でした。それを、ホワイトボードという使い慣れたインターフェイスで実現したのが、インタラクティブ ホワイトボード D5500です。

ネットワークアプライアンス事業部 VC事業センター 商品戦略室 ソリューション企画ユニット シニアスペシャリスト 長束哲郎 氏

「設置してすぐに使えるアプライアンスであることには徹底してこだわりました」

ネットワークアプライアンス事業部
VC事業センター
商品戦略室
ソリューション企画ユニット
シニアスペシャリスト
長束哲郎 氏

― インタラクティブ ホワイトボード D5500を開発するにあたって、特にこだわったポイントを教えていただけますか。

インタラクティブ ホワイトボードで実現できるコミュニケーションの世界は、これまでのホワイトボードとはまったく違います。しかし、ホワイトボードとしても直観的に使えなければ、そもそも使ってもらえません。そこで、設置すればすぐに使えるアプライアンスであること、電源を入れて5秒以内に真っ白なホワイトボード画面が起動すること。この2つのポイントには徹底的にこだわりました。

これまでに提供してきた複合機やプロジェクターも そうですが、個人使用が前提となるPCとは違い、購入、管理の担当者と利用者がすべて違います。しかも管理者の手元ではなく共用スペースに設置して、多くの人が使う製品です。定期的な管理や、使うための説明が必要なようでは、使い続けてもらえないのです。

その一方で、新しい市場ジャンルの製品なので早期に市場に投入してお客様とともに成長していきたいという思いもありました。使われ方を決めつけて機能を作り込んでいくよりも、お客様のニーズとともに成長していきたいと考えたからです。そこでもうひとつのポイントとなったのが、開発期間の短縮でした。

インテル製CPUとWindowsの組み合わせで開発を効率化、商品化決定から発売まで約1年という短期間開発を実現

― 3つのこだわりのうちのひとつに挙げられていた開発期間の短縮のために、工夫されたことがあれば教えてください。

D5500では、インテル製CPUとWindows OSの組み合わせを採用しました。もちろん、組み込み系で人気の高いLinux系のOSや、より廉価なCPUの採用も検討はされましたが、短期間で品質の高い製品を構築するにはインテル製CPUとWindowsOSの組み合わせが最適だとわかったからです。この組み合わせはもっとも多くの開発ノウハウが蓄積されており、扱いやすい開発環境やミドルウェアも豊富に提供されています。

開発者の環境にできる限り近づけることで、開発時に想定しなかったバグが混入することを避ける意味合いもあります。開発部署で使っているPCでもインテルCPUとWindows OSを使っているので、開発環境と製品の機器構成とをできる限り近づけることで、開発時に想定できなかった誤動作もなくせるのです。

インテルCPUはパフォーマンスやネットワークへの親和性も高いので、安心して製品に採用できるという点も見逃せませんね。

管理不要なアプライアンスを実現するために不可欠だった、McAfee Embedded Control

ICTビジネス推進部 クラウド推進課 杉山 氏

「McAfee Embedded Control がなければアプライアンスとしての提供をあきらめていたかもしれません」

ネットワークアプライアンス事業部
VC事業センター
DA開発室
CBS開発ユニット
シニアスペシャリスト
香川正明 氏

― 徹底的にこだわったというアプライアンス化、起動後5秒以内のホワイトボード画面表示については、どのように実現されたのでしょうか。

アプライアンス化にはとてもこだわったのですが、本当にアプライアンスとして提供できるのかどうか、開発の最終段階まで悩んでいたことも事実です。というのも、ネットワークに接続して使う製品ですから、セキュリティ対策は施さなければなりません。そうすると必然的に定義ファイルや検出エンジンの更新が必要になり、PCの様な管理が必要になってしまうからです。

リコーが考えるアプライアンスとは、設置して電源とネットワークを繋げばすぐに使えて、煩雑な運用管理も必要としないものです。特定の管理者が必要で、定期的にファイル更新を求めるような使い方は、オフィスの共用機器にはなじみません。

もし仮に理解を得られて、PCの様な管理を求めることができたとしても、課題は残ります。出荷後にインストールされるウイルス対策ソフトや、その後の更新ファイルを適用した状態で動作を保証できるかどうかという点です。

アプライアンスとして提供できるかどうかは、出荷時の状態のままでセキュリティを確保できるかどうかにかかっていたとも言える状況でした。

その状況をクリアにしてくれたのが、McAfee Embedded Controlでした。出荷時にセット可能なホワイトリスト方式で、出荷後の管理やファイル更新は不要。しかも、アプリケーションをアップデートする際には合わせてホワイトリストをアップデートできるので、ユーザー側に意識させることなくセキュリティを維持できます。

同じようなホワイトリスト方式の製品同士での比較検討はもちろん行ないました。しかし、他の製品はいずれも社内やインターネット上に管理サーバーが必要なものばかりでした。

出荷時にセットし、単体で機能し、なおかつアプリケーションのアップデート時にホワイトリストのアップデートが可能という条件をクリアできたのはMcAfee Embedded Controlだけだったのです。正直に言って、McAfee Embedded Controlがなければアプライアンスとしての提供を諦めていたかもしれませんね。

そして、McAfee Embedded Controlを得たことでもうひとつの課題である起動後5秒以内のホワイトボード表示にも好影響がありました。

いかにチューニングを重ねて、出荷時の状態で起動のスピードを速めても、出荷後のウイルス定義ファイルやウイルス検出エンジンの更新によってソフトウェア構成が変わってしまったら、動作状態を維持できなくなる恐れがあります。しかしMcAfee Embedded Controlは出荷時の状態を維持したままでセキュリティを確保できるので、出荷時にしっかりチューニングしておけばそのパフォーマンスを保証していけるのです。

ホワイトリスト方式によるアプリケーション実行制御のイメージ

図2.ホワイトリスト方式によるアプリケーション実行制御
予め登録されたアプリケーションのみを実行・保護することで、ウイルスや許可リストに登録されていないアプリケーションの実行を防止します。

セキュリティをしっかり確保した上で、他製品やクラウドサービスとの連携を進め、コラボレーションをよりスムーズにするプラット フォームへ

― セキュリティにも配慮され、運用管理の手間も抑えられたインタラクティブ ホワイトボード D5500ですが、今後はどのように進化していくのでしょうか。

インタラクティブ ホワイトボードの基本コンセプトは、コラボレーションの場となること。もちろんこれは、これまでリコーが取り組んできたビジュアルコミュニケーションの円滑化の延長線上にあります。

現在のD5500では、個人作業とコラボレーションのサイクルを分けて考えており、資料の作成や管理は個人のPCで、それを表示して共有するコラボレーションの場としてD5500を使ってもらうという考え方です。個人情報の管理は個人のPCで行なう方が、いまはスムーズだと感じているからです。

しかし今後は、文書管理サービスや既存の複合機などとも連携し、PCを使うことなく資料を表示できるような機能も盛り込んでいきたいと考えています。そのためのインターフェイスづくりや、連携するサービスの選定などハードルはいくつもありますが、いずれにしろセキュリティがより重要になっていくことだけは確かです。McAfee Embedded Controlを得て、セキュリティ面の不安を最初に払拭できたことは、今後の進化においても大きな影響を与えるでしょう。

オフィス機器のセキュリティ啓蒙も含め、新たなビジュアルコミュニケーションの世界拡大へ努力を継続

― 最後に、オフィス機器におけるセキュリティの重要性について考えをお聞かせください。

PCやサーバー、ネットワークの世界ではセキュリティ機能を装備するのは常識になっています。一方で、オフィス機器の世界では以前はセキュリティへの関心はそれほど高くはありませんでした。

しかし機器の機能進化は日進月歩。複合機やホワイトボードもネットワークに接続する時代になったことで、オフィス機器の導入においてもセキュリティの観点が重要視されるようになっています。

多くの企業ではすでに、ネットワークに接続する機器は総務管理のものであっても、IT部門のチェックなしには導入できなくなっています。この動きはやがて全企業に広がっていくと私たちは考えています。私たちは業界をリードする企業の自負を持って、そうした動きを支援していかなければなりません。

そうした支援のためには、自社で提供する製品にセキュリティ機能をきちんと実装していくだけではなく、セキュリティ機能の必要性や、今回採用したホワイトリスト方式のような新しい考え方の啓蒙もしていかなければなりません。まだこれから取り組むべきことはたくさんあります。

株式会社リコー 様 プロファイル

1936年の創業以来、オフィス向けコピー機やファクシミリなど、先端的なOA製品を提供してきた株式会社リコー。21世紀に入りグロー バル展開にも力を入れているが、主軸となるコンセプトは変わらず、ビジュアルコミュニケーションの新しい世界を提唱し続けている。

取材日時 2013年6月