フリーWi-Fiの使用時、通信の安全を守るVPN
サイバー犯罪者はその時々のトレンドや大きなニュースを利用して、詐欺や攻撃を仕掛けようとします。世界的なイベントは、まさに“もってこい”。過去のオリンピックでも、ネットの普及とともにサイバー犯罪の被害が拡大してきました。
2016年のリオデジャネイロ大会では、120億回ものサイバー攻撃があったといわれており、4年を経た2020年にはそれ以上に規模になる可能性があります。世界中のサイバー犯罪者は今ごろ、悪知恵をめぐらせていることでしょう。
個人ユーザーを狙うサイバー犯罪としては、オリンピックに便乗した詐欺も考えものですが、今回考えたいのは「画面の外」すなわちフリーWi-Fiスポットも危険が潜んでいるということです(詐欺サイト対策について詳しくは こちら )。外国人旅行者の増加を見越し、2020年に向けてWi-Fiネットワークの拡充が進んできました。スタジアム周辺だけではなく、街中や地方都市などでも「あれ、ここでもつながる」と、フリーWi-Fiの普及ぶりに驚いた経験がある人も多いのではないでしょうか。
しかしフリーWi-Fiのアクセスポイントは、セキュリティ性が千差万別です。セキュリティが甘いアクセスポイントに接続すると、通信は傍受し放題。時にはWi-Fiスポットそのものが、悪意をもって設置されている場合すらあります。不正アクセスにより各種のパスワードや個人情報が流出し、乗っ取りやなりすましの被害を受ける可能性があるのです。
スポーツ観戦に限らず、大切な瞬間の写真をSNSに投稿したり、メッセージのやり取りを楽しんだり、Wi-Fi通信の電波にはたくさんの個人情報が乗っています。こんな通信の秘密を守るために比較的手軽に導入できるサービスとしてVPN(Virtual Private Network:仮想プライベートネットワーク)があります。これはその名の通り、仮想的な専用回線をネット上に作り、安全な通信ルートを確保する技術です。通信は暗号化されているので、たとえ傍受されたとしても、サイバー犯罪者は通信を解読することができないのです。