まずはじめに、ここでいう「ゾンビ」とは、サイバー攻撃を行う目的で犯罪者に乗っ取られ、密かに組み込まれたプログラムによって遠隔操作が可能な状態になっているPCのことです。その悪質なプログラムはボットといわれ、犯罪者のコントロール下にあるたくさんのゾンビPCとともに、ボットネットと呼ばれるネットワークを構成します。恐ろしいことに、ゾンビとなったPCはサイバー犯罪者の意のままに操られ、あなたの気付かないうちに犯罪に加担してしまいます。つまり、ボットに感染したPCを使用しているあなたは、被害者であると同時に加害者ともなってしまうのです。
いま、あなたがこのニュースを読んでいる間にも世界でPCのゾンビ化が進み大量のスパムメールがゾンビから送信されています。スパムメール以外にも、「Webサイトの攻撃」や「ウイルス・マルウェアの大量配布」などに悪用され、さらに、パスワードやユーザー名、アカウント情報などの個人情報、金融情報などを盗むための「フィッシングサイト構築」といった悪質なサイバー犯罪の手段として利用されています。過去には個人や企業から多額の金銭(470万ドル)を盗み出したボットネットの首謀者であるボットマスター(J.K.Shiefer)に懲役12年の刑が下りました。
なぜそんな大金を一人で盗むことができたのか、実はサイバー犯罪者にとってマルウェアをユーザーのPCにダウンロードさせゾンビにすることは非常に簡単なのです。彼らは、有名人のニュースなど、センセーショナルな話題の迷惑メールや、画像・動画グリーティングカードへのリンクにマルウェアを仕込み、あなたが不用意にクリックするのを待っています。うっかりクリックした瞬間から、あなたのPCは、友人やアドレス帳に載っている相手にスパムメールを送信したり、個人情報を盗むなど悪質に動作します。犯罪者はボットネットに接続された数十・数百万台のゾンビPCを操れるために、いっぺんに個人情報を取得し大金を盗むことが可能というわけです。
しかしなぜ多くの人が、自分のPCがゾンビになっていることに気が付かないのでしょうか?実は、これまでのマルウェア感染ではアイコンが変形したり、画面が崩れ落ちたりなど、感染したことを認識しやすかったのですが、ボットは従来のマルウェアとは異なり、バックグラウンドで起動するために視覚的に捉えにくく、感染したことに気付きにくいという特徴を持っています。また、ボット自体の種類が多く、それぞれ動きに違いがあるため、駆除するにも非常に困難です。
少しでも不審に思ったら「開かない」「クリックしない」「相手に確かめる」
サイバー犯罪者は、あなたのパソコンをボット化し「ゾンビ」とすることで、パソコン内部にあるデータとリソースへのアクセスを可能にして、リモートでコントロールしようと機会を伺っています。このようなゾンビとならないためには、スパムメールや提供元が不明のメッセージは開かずに削除する、疑わしいURLをクリックしない、友人からビデオクリップや電子グリーティングカードが送られてきた場合でも、不審に思ったらクリックする前に友人に確認するなど、日頃の注意が不可欠です。また、信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に更新するとともに、感染した疑いのある場合はフルスキャンをかけることも重要です。
マカフィーの専門スタッフがお客様のパソコンにリモート接続し、ウイルスの感染やスパイウェアを検出・診断し除去します。申し込みから駆除完了まで、パソコンの気になる症状が解決するまで丁寧に対応いたします。