手軽に行うのであれば、外付けHDD(ハードディスクドライブ)といった、容量に余裕があって取り回しやすい外部記憶機器を使用するのがおすすめです。不要なデータはこの機会に消して、必要なファイルを外部記憶機器にコピーし、そこから新しいパソコンのフォルダに移すだけ。ブラウザやメールなどのログイン情報が分からなくならないように、アプリケーションのインポート・エクスポート機能を利用するか、しっかりメモしておくのもお忘れなく。もしくはデータ転送ソフトなどを使えば、画面の表示に従って操作していけば良いので簡単です。通信環境が整っていれば、Google Driveなどオンラインストレージにバックアップを取るのも一案。ネットがつながる場所なら、新しいデバイスにファイルを転送する時だけではなく、複数デバイスで同じデータを使ったり、家族や仕事のチームでデータを共有したりするにも便利です。
古いパソコンを処分したり、譲ったりする場合、気を付けたいのがデータの削除。「ゴミ箱を空にする」を選んでも、「初期化」ボタンを押しても、実はデータは残っているのです。万が一にも望まない復元をされないようにするには何をすればいいのでしょうか。まず必要なデータのバックアップや新しいパソコンへの移行が終わったら、すぐにメールやSNS、クラウドサービスなどパソコン本体に保存されたアカウントはすべて削除を。次に内蔵HDDのデータを破棄します。パソコンのデータは画面上で削除して、見た目には読み込めなくなったとしても、HDD上の保存領域は上書きされずに残されています。そのため復元ソフトや知識のある技術者の手に掛かれば、容易に復元されてしまうのです。これを防ぐには、削除したデータ領域そのものを上書きすることですが、通常の操作では難しいため、専用のソフトを使う必要があるでしょう。マカフィー製品でも「シュレッダー」機能として提供しています。またもう使わなくなるのなら、機械そのものを、物理的に破壊してしまうのも確実な方法といえます。