多発する個人情報漏えい
SNSやショッピング、情報サイトなど多くのウェブサービスを利用中、「このページにも興味がありませんか」と、自分に合った商品や情報を勧められる経験をします。よく利用するサイトや購入履歴、年代、性別など個人情報を利用して、パーソナライズされたサービスを提供しているのです。視野を広げると、行政サービスでマイナンバー制度が2015年にスタートし、より円滑な情報の管理・運用が目指されています。このように、個人情報がデータとして管理され、活用によって新しい便利なサービスが広がっているのは事実です。一方で、個人情報の流出事件は後を絶たないのが懸念されるところです。
2015年には、iOSのアプリに個人情報を盗み出すマルウェア感染が広がり話題になりました。App StoreはGoogle playに比べて安全と言われていたため、発覚自体が驚きをもって受け取られ、感染規模も名刺管理アプリなど利用者が多いアプリを介して大規模なものとなりました。また2015年には標的型攻撃によって、日本年金機構から125万件という大量の個人情報流出も発生しています。
2016年には、16歳の高校生が不正アクセス防止法違反で書類送検されるという事件が大きく報じられました。他人のパソコンにマルウェアを感染させ、オンラインバンキングやオークションサイトのID、パスワードを何百件も盗み出したのです。大手旅行会社が不正アクセスを受け、678万件以上の個人情報漏えいとなったのもこの年。以後も企業への不正アクセスでは、大規模な漏えい事件が度々起こっている状況があります。規模の小さい事例を含めれば情報漏えいは毎週のように報告されており、利用者個人にとっても、企業にとっても、そして社会にとっても頭の痛い問題といえるでしょう。