便利な仮想通貨、サイバー犯罪者は悪用する
仮想通貨―それはオンライン上で流通するバーチャルな貨幣で、代表的なものにBitcoinがあります。匿名で簡単に利用できる、国境を越えた決済に利用しやすい、といったメリットがあり、新しいタイプの"通貨"として、世界的にも利用が広がっています。また仮想通貨に似たものとして、さまざまなプリペイドカードもオンラインの決済には便利です。しかしメリットが多ければ、サイバー犯罪者もそこに目を付けるもの。匿名性の高さをいいことにマネーロンダリングや闇取引に悪用したり、オンライン上で仮想通貨をかすめ取ったりという事件はいくつも起こっています。
特に、いま被害が広がっている手口は「ランサムウェア」と呼ばれるタイプのマルウェア。感染すると、パソコンやモバイル端末の画面がロックされたり、ファイルに独自の暗号化が施され、開けなくなったりしてしまいます。そして、その復元のために「身代金(英語でRansom)」を要求するのです。デバイスという「人質」を助けるために、要求されるまま「身代金」を支払ってしまう……。しかしほとんどの場合、「身代金」を払ってもファイルを復元することはできず、「人質」が還ってくることはありません。
とりわけオンライン上で素早く決済できる仮想通貨やプリペイドカードは、そんな犯罪行為のターゲットになりやすい決済手段のひとつです。被害を防ぎ、安心して使い続けるにはなにに気をつければ良いのでしょうか。