ネットの危険から身を守るために
小中学生のスマホには、「フィルタリング」による利用制限がかかっているのではないでしょうか。使っている本人にしてみれば、「面倒だな……」と感じることもあるかもしれません。せっかく時間がある夏休み、なぜフィルタリングが必要なのかを考える時間をとってみましょう。
ネット上には楽しいサイトや便利な情報もあれば、よからぬ目的で罠を張るサイバー犯罪者も闊歩しています。巧みな手口で大金を請求しようとする詐欺サイト、違法サイトは大人も見分けるのが難しく、人が交流するところでは、未成年者を狙う犯罪者に出会う危険もともないます。そうしたトラブルを遠ざけるために、フィルタリングは役立つ道具です。見られないサイトを見つけたら、どこにリスクがあるから見られないのか考えてみたり、友達や家族と話し合ったりしてみましょう。もちろん多くのフィルタリングサービスでは、必要なサイトであれば「一時的に」「そのサイトだけ」「そのカテゴリだけ」の解除設定もできます。
また、スマホで使うアプリそのものも、サイバー犯罪者の息がかかった「不正アプリ」である可能性があります。メッセージアプリからゲーム攻略アプリまでジャンルを問わず、マルウェアが忍び込んだアプリが見つかっているのです。
アプリをダウンロードするなら、必ず「公式ストア」(Google Play、App storeなど)を利用しましょう。公式ストアでは不正アプリのチェックがあるので、リスクが低くなります。とはいえ最近では公式ストアにも不正アプリが発見され、それだけで安全とはいえなくなってきました。アプリをインストールする画面では、どんな「アクセス許可」を要求されるか細かくチェックしましょう。動画を見るだけのアプリが連絡先まで読み取ろうとするなど、不要なアクセス許可を求められるなら、怪しいアプリかもしれません。インストールしたアプリについては、スマホの設定画面から、アプリの「使用状況」を見ることができます。アプリを使っていないときまで位置情報(GPS)が発信されていないか、外部に不可解なほどたくさんのデータを送っていないかなど、時間があるときに見直しておきましょう。
端末の「パスワード」「画面ロック」も、必ず設定しておきましょう。「111111」といった単純なパスワードは見抜かれやすいため、なるべく複雑にするようにしてください。そして、「OS」は必ず最新版に保ち、「セキュリティソフト」を導入しておくことも忘れずに。サイバー犯罪者に狙われる、システムの弱点をカバーしてくれます。